近年、日本でもフィンテック(FinTech)という言葉がはやっているようですが、やはり欧米が先駆者で、日本ではその10数年遅れで大きな波が来ているようですね。ところで、FinTech(フィンテック)とは、Financial Technologyの略、すなわち、情報技術(IT)を駆使して金融サービスを生み出したり、見直したりする動きのことのようです。
フィンテックに関する特許は、ソフトウェア・ITによって成立する技術ですから、つまりは、ソフトウェア特許の一分野です。詳しくは別の記事にも書いていますので、そちらを読んで頂ければ良いのですが、ソフトウェア特許は、出願書類の書き方、審査の進め方、特許権侵害の成立条件など、「物」の特許とは異なる接し方をしなければいけませんので、可能であれば、フィンテックに関するアイデアの特許出願は、ソフトウェア特許を得意とする弁理士への依頼をお勧めいたします。もちろん、自社(本人)が出願書類を書き、特許出願するということはできますが、取り返しのつかないことにもなりかねませんので、それは止めた方が宜しいでしょう。
1998年から2007年まで、三井住友銀行(途中5年ほど、大和住銀投信投資顧問に出向)に勤務し、一般的な銀行業務からシステム開発、新商品開発、企業調査等々割と幅広い業務に携わってきた経験上、技術分野としては(ATM等の)ユーザーインターフェース、決済、顧客管理(CRM)、リスク管理、与信判断、金融商品など、業種としては銀行・証券・保険・リース・カード・投資・消費者金融など、金融に関するアイデアであれば、即座に内容を理解することができます。
弁理士となった後は、大手の複写機メーカー・自動車メーカー・通信機器メーカーのソフトウェアを利用した制御システムの特許出願を多く手掛けると共に、独立し自分の事務所を構えてからは、主に小企業が発案したソフトウェア特許(ビジネスモデル特許)の案件を手掛けてきました。その間、日本弁理士会のソフトウェア委員会にも所属し、フィンテックをはじめとするソフトウェア特許の保護の在り方等を調査・検討してきました。
そういったことを背景に、フィンテックに関するアイデアについて、その内容を十分に理解した上で、特許として適切な保護形態を想定することができます。
ところで私は、勤務弁理士時代から独立開業後の現在まで、種々のフィンテックに関する特許出願を行ってきましたので、その一例をお示しします。勤務弁理士時代に担当したものはお示しできない決まりになっておりますので、独立後の出願案件を一例としてお示しします。当然ではありますが、公開前のものはお示しできませんので、ここに示すものはすべて出願公開公報か特許公報が出されたものです。つまり、ここにお示しするのは公開情報です。私のHPを見てくださった皆さんの参考にしていただければ幸甚です。
特開2016-033696号(商流図作成装置等)
特開2014-006578号(市場リスク予測装置等)